夏休みが完全に明け切った九月。
またまた、Oと大学学舎に向かって坂道を登っている。
O「ううぅぅ・・・夏休み明けは、さすがに、この坂道はつらいなぁ・・・息がきれるよ」
私「ははは、まぁそうだな。だけど俺なんかここを5年以上も登ってんだぜ」
O「よくまぁ、飽きないなぁ」
私「飽きてどうすんだよ、もう・・・」
O「はは、『行き行きて倒れ伏すとも萩の原』か・・・」
私「お、教養者だね、曽良が『奥の細道』でうたってるやつか。たしか・・・行けるとこまで行って、そこで倒れれば本望っていってる、悲壮感ただよう俳句だろ」
O「ああ、そんな心境だね」
と、すぐ。
O「あ、あの大学院学舎の入り口にいる娘、むちゃくちゃかわいい!!おれ、先行くから、またな」
と、小走りで行ってしまった。
私「・・・・どこが ゆきゆきて だよ・・・もう・・・」
いちはやく萩は乱るる風を得つ(林火)