norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

カ・イ・カ・ン

   ♬ さよならは別れの言葉じゃなくって 

                   再び会うまでの 遠い約束

       ・・・・このまま何時間でも抱いていたいけど 

            ただこのまま 冷たいほほをあたためていたいけど・・・♪

(「セーラー服と機関銃」歌:薬師丸ひろ子 作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお

 

 9月、大学の通常生活が始まった。

わが大学の登り坂の途中に階段があり、そこを下ると、古ぼけた木造の地下食堂がある。

 戦前からの建物で、旧制高校時代からあったものと言われていた。

業者さんが食堂を経営していて、安い。

 

窓口注文のセルフサービス形態で、ごはんとみそ汁とおかず1品を取れば、およそ300円くらいで済ませられる。

生協食堂に飽きたとか、生協が混雑して入れないというときなどは、きわめて便利なのであった。

 

高くもないし、味が悪いわけでもない。

薄いが、トンカツなどはちょっとしたものであった。

 

ただ、営業時間が短いのと、週に3回ほどしか開かないので、いつもそこで食事というわけにはいかなかったのである。

 

私と、仲間たちには一種の昼のたまり場のようになっていた。

 

9月1日、ここで後輩のハチヤ君と食事をしていた。

 

私「やれやれ、授業が始まったなぁ・・・にぎやかなことだよ」

ハ「でもまぁ、この食堂も同時に開店となったんだから、よしあし五分五分ですね」

 

私「まぁ、そうかなぁ・・・しかし、ここは静かでいいけど・・・蚊がなぁ・・・」

ハ「そりゃまぁ、食堂のまわりは緑だらけですもんねぇ。ところで、のりもさん、薬師丸ひろ子って知ってます?」

 

私「セーラー服と機関銃だろぅ。バリバリバリバリ!!!!」

ハ「あ、知ってますねぇ」

 

私「そりゃあれだけ、テレビで宣伝すればなぁ」

ハ「彼女もかわいいですもんねぇ。ところが、残念ながら、今日はそっちじゃなくて、歌の作詞・作曲者の名前の方なんですよ。『来生』って、どう読むか知ってます?」

 

私「さぁぁ?・・・くりゅう・・・くるお・・・らいせい?・・・」

ハ「ははは、ちがいますよ。『きすぎ』って読むんですよ。この名を知らないひとの、この正しい読み方ができる確率は低くてですね、わずか数パーセントって言われてるんですね・・・その由来はどうもはっきりしなくって・・・・数でいえば、北海道が一番多くて、つぎに秋田県・・・・この苗字にちなむ土地名っていうのはないらしくて、出自不明の不思議な苗字なんですね・・・それで考えられるのは・・・」

 

この話しがつづいた後、

私「それで全部?」

ハ「はい。言いおえたぁ・・・あぁぁぁぁ・・・・カ・イ・カ・ン・・・・」

 

私「・・・・・・・・・」

 

     秋口や目先をかへてカプチーノ(西谷 孝)