♬ 夏が過ぎ風あざみ わたしの心は夏もよう・・・・
夢が覚め 夜の中・・・・
夢はつまり想いでのあとさき・・・
・・・・わたしの心は夏もよう・・・♪
昭和がおわってほんの数年が経った頃である。
ある学校で経済学専攻のH先生と知り合いになった。私より年上の方である。
H「のりも君。この歌知ってる?」
私「ええ、陽水でしょ、声が独特ですもんねぇ・・・それに・・・彼にしたら、おとなしめのゆったりした曲ですよね」
H「うん・・・そうなんだろうけどさぁ・・・彼はたぶん私とほぼ同い年なんだよなぁ・・・だから心情としてはよくわかるんだけど・・・」
私「え?なにかおかしいところでもあるんですか?」
H「うん。あの『風あざみ』ってなんだろぅ?鬼アザミの間違いだろうか・・・それとも同じ種類の草花なのかなぁ・・・気になってさぁ・・・」
私「ええ・・・・・」
あざみの花言葉は孤独だそうです。合わせると、『孤独な風花』かもなぁ・・・
しかし、風あざみなんてものはありませんし、架空のことばでしょう。
なにやら次の時代を象徴するようなことばでもあるかのように、思われたのです
が・・・孤独な風って・・・
夏と昭和がこのとき同時におわりを告げていたかのようです・・・・
人は去り時は去りゆく翌檜(ひば)晩夏 (佐藤鬼房)