♬ いやじゃありませんか 軍隊わぁ~ カネのおわんに 竹の箸
仏様でもあるまいに 一膳めしとはなさけなや~ ♪
(「軍隊小唄」作詞:不詳 作曲:倉若晴夫)
テレビであったか、映画であったか、場面中にこの歌を歌って騒いでいるシーンがあった。このことで大学の友人たちと話していた。
A「なぁ、軍隊小唄ってあるだろぅ?」
B「ああ、それがどうした?」
A「あのなかで、『一膳めしとはなさけなや』ってどういうこと?」
B「むかしの軍隊だと、食料不足か時間がないから、飯が茶わんに一杯しか食べられないのがなさけないってことだろ?」
C「ちがうちがう。一膳めしってのは、昔から不吉で、この世との別れの食事だっていわれて、できるだけやっちゃいけないってんだよ。それを、軍隊じゃあ常にしなくちゃならないから、なさけないって言うんだろ」
A「そうなのか?」
C「ああ、それに、カネのおわんに竹の箸なんて、まるでお葬式用のお供えじゃないか?」
B「うん、そういや、お仏壇にご飯をお供えするとき、お箸を立てることがあるよなぁ」
C「そうそう。だから、子どもの頃、お箸をご飯に立てたりすると、縁起でもないって叱られたことがあるぜ」
B「あ、それで思い出した。ある先生が『法律雑学のたのしみ』(自由国民社)って本のなかで、日本人には一や四っていう数字はあまり好まれないって書いておられて、そのなかに、『一膳めし・一杯茶・一本花』が凶事のときに使われるからだって言ってらしたよ」
A「うん、わかるけどさぁ・・・何かイチってはじまりだから、良いような気がしてたんだけどなぁ・・・・」
C「うん、場合によるんだろうがなぁ・・・・始まりの良さってのは分かるけどさ。まぁ、イチっていうのはそれを使っちまうと何もなくなるから、おわりってことにつながるんだろぅなぁ・・・」
A・B「ううぅンンン・・・・・・・」
何かしら、夏の日のさびしい話しでした。
夏空が救ひのやうにある日かな(高澤良一)