昭和52年のこと。Yの部屋で。
Y「今日、買い物にいったらさ、魚屋で『はんげしょうには、たこ・たこ。旬のたこ』って叫んでるんだよなぁ。お前、半夏生って知ってる?」
私「え?知らないよ。何それ」
Y「そうだろう。それで調べてみたんだよな」
私「うん」
Y「夏至から3つに分けた、最後の3分の1の期間のことなんだってさ。だいたいは7月2日から7日くらいまでの期間だそうだぜ。二十四節気じゃないから雑気っていうんだってさ」
私「ふぅぅん・・・なんでそんな区分が必要なの」
Y「うん、農作業との関係だろうな。この時期までに田植を終えないと、不作になるっていう経験則がこの時期確定をしたんだろう」
私「それで、なんで『はんげしょう』なんて言うの?」
Y「どうもさ、この時期に生える薬草にハンゲっていうのがあって、このハンゲと生えるをとって、半夏生って書いたんだってよ」
私「うん。とするとあとはタコを食べるだな。これは?」
Y「これは分からん。想像するに、タコは半生(はんなま)のほうがおいしいからじゃないか?」
・・・ばか・・・真ん中の『夏』はどうすんだよ・・・・
朝の虹消えて一ト雨半夏生(酒井黙禅)