norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

初物七十五日

 刑事法専攻の先輩とのはなし。

A「この前、京都で会合があってな。食事をしたとき『若鮎』が出てきて、ああ初物かぁと思ってると、『初物七十五日』のはなしになったんだ」

 

B「え、なんですか?それ?」

A「ああ、意味は初物を食べると寿命が七十五日延びるっていうのはわかるだろぅ?そのいわれが問題になったんだよ」

 

C「旬の新鮮な物は、いきいきしてて、体にいいからなんじゃないんですか?」

A「お前の言ってるのも一理あるんだけど、これには説がいろいろあってな。刑事法ばっかり勉強している連中の会合だぜ。それと関係した話になるだろ」

 

B「なるほど」

 

A「それでな。あるひとが言うには、江戸時代、死刑囚が死刑になる前の夕食に、好きな物をたべることが許されるという『ならわし』があったんだ。そこで、奉行がある死刑囚に何が食べたいって聞いたら、その時期には全くないものを言ったんだってさ。奉行としちゃあ、慣習を破るわけにはいかないから、旬の出回るまで、その死刑囚を生かしておいたんだが、それが75日だったっていうんだよな。この話しが庶民に広まって、『初物を食べると75日長生きできる』ってことわざになったってんだよ」

 

B・C「ええぇぇぇ~~~、なんだか嘘くさいなぁ・・・・」

 

A「まぁ、言い伝えだからな。夕食だけに、ほんとか嘘かは、湯気(夕餉?)のなか」

 

     二三尾の跳ね水中に百の鮎(鈴木鷹夫)