研究棟で学生たちが話している。
A「なあ、梅雨に入ったなぁ」
B「ああ、今年は早いよなぁ」
A「ちょっと華やかにいこうぜ。梅雨に似合う花って何だと思う?」
B「そりゃあ、当然、アジサイだろぅ」
A「他には?」
B「うウゥゥンンンと・・・くちなし、ばら、さつき、・・・あやめ、しょうぶ・・・こんなもんだろう?」
A「おぉぃぃ、ばらやさつきはだいたい5月ものだろぅ。6月の雨にゃあわないと思わないか」
B「いいじゃないか、色あざやかだから、雨にぬれて良く目立つぜ」
A「目立つだけじゃあなぁ。6月のしっとりした雰囲気にもあわないと」
B「そんなこと言うなら、他にどんなものがあるんだよ」
A「芭蕉がさ、
『世のひとが見付けぬ花や軒の栗』って詠んで、
6月ごろに白い花が咲く、小さな『栗の花』は見つけにくいくらい質素なものだって
ほめたたえてんだよ」
B「また、芭蕉かよ。だいたい、芭蕉は『わびさび』の世界だろ。はでなのは嫌いじゃないか。当然、華やかになるわけないだろ。あわないよ」
A「あうよ。ツユって梅の雨だろ。庫裏(クリ)に梅(ウメ)は、つきもんじゃないか?」
B「・・・・・・(なんのしゃれだよバカ)・・・・」
ポッチャント跳ねしは梅雨の雑魚でした(高澤良一)