大学のたまり場で。
A「きのうさぁ、テレビの天気予報でこよみの上では冬になりました、って言ってたけど、あれはどういうこと?」
B「ああ、きのうが立冬なんだよ」
A「立冬って?」
B「まあ言やぁ、立春の反対さ」
C「手荒い説明だなぁ」
B「じゃあ、どういうことだよ」
C「詳しくは知らねえけど、むかしの1年の区分方法だよ。1年を春夏秋冬の四つに区分するんだよな」
A「うんうん」
C「その各季節を六つに分けて、全部で24分割するから、これを二十四節気(にじゅうしせっき)っていうんだ。そのなかの区切りのひとつが立冬で、ここから冬が始まるんだってさ」
B「やっぱり、たんなる立春の反対じゃないか」
C「そりゃまあ、そういう面もあるけどさぁ。季節にかかわる仕事、たとえば農魚業や山仕事をするひとたちにとっちゃあ、ここから冬支度が始まる区切りの意味があるだろ。その点でも、ある意味だいじな季語なんだぜ。まあ、立春ほど華やかな感じはないけどさぁ」
B「うぅぅん・・・・」
ことごとく冬に入りたる吊るし柿(石田勝彦)