norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

八十八夜

   ♬ 夏もちかづく八十八夜  

            野にも山にも若葉がしげる 

      あれに見えるは 茶摘みぢゃないか  

              あかね襷に すげの笠 ♪

                            (文部省唱歌:茶摘み)

 

 朝の10時ころ、大学ゆきの電車に乗っている。

窓の外は、桜花が散った青々とした葉っぱばかりの木々が揺れている。

空気もさわやかで、暑くもなく寒くもない時候である。

 

 ふと思い出したのは、研究室で飲む緑茶の葉っぱを手に入れなきゃなぁということであった。

大学の駅を降りるとすぐにスーパーがあり、そこでお茶っ葉を買うことにして、入ってみた。

 

いろいろあるなか、このころ急に広がって来たティーバッグのお茶を買って、大学へ急いだ。

 

 その昼食後、部屋でK平と話していて。

K平「そろそろ、新茶の時期だよなぁ」

 

私「そうだな」

K平「だけど、最近は緑茶でもティーバッグが出てきてるだろぅ?あれって、うまくないと思わないか?」

私「ああ、まあ、急須で入れるほどのおいしさは出ないよなぁ」

 

K平「そうだろぅ。あれでお茶を淹れてもうまくないし、おれはいやだなぁ」

私「しかし、便利じゃないか。茶っぱの後始末も簡単だしさ。ちょっと一杯だけ飲みたいときには便利だぜ」

 

K平「うん・・・そうだけどさぁ。俺のうちは四国の田舎だろ。田舎じゃあ、この時期はおいしい新茶が出てさ。それを飲み慣れているから、特にこの時期のお茶は、急須に葉っぱなんだよなぁ・・・」

 

私「おい、この時期になってホームシックか?」

K平「そんなんじゃないけどさぁ・・・」

 

 このとき、買っておいたティーバッグのお茶は、出さずに、K平と急須で淹れた、残り少ないお茶っ葉のお茶を飲むことにしました。

 

食後のお茶って、おいしいんですよねぇ・・・

 

       ふるさとのあすは八十八夜かな(保田ゆり女)