昭和51年にNHKで8時から「そのひとは今」というドラマが放送されていた。
たしか、毎週月曜の8時からはじまったと覚えている。
あまり、話題にはならなかったと思うが、わたしはこのドラマが好きであった。
まず、タイトルシーンのところで、小椋佳作詞作曲の歌がながれるのである。
♪ 思いおこせば ひとつ 浮かんだ 迷い雲
いつの間に生まれ来て 広がる空を ひとり占めして
ゆめを運ぶ・・・・・
おもちゃ箱の カギをさがして 暮しています
Uuuuu・・・・・♪
いつも、感じるのは、この小椋佳というひとは、ことばの繊細さを、きれいに
きれいに紡いで、
『うた』をつくっているような気がしてならなかった。
後日、このレコードをさがしてみたのであるが、残念ながらみつけることができなかった。
大学の悪友と会ったときに、この話をすると、
K「おっ、また始まった。のりものロマンチック病」
わたし「そういうなよ」
K「だけどさ、小椋佳氏のうたは、たしかにきれいなんだけど、パターンがわりと同じなんだよ。はじめに明るい調子ではじまって、だんだん物語がすすむと、あとはやさしい結びへと駆け込むんだよなぁ。いわゆる、変調の妙がない気がして、面白みがなぁ・・・・。歌詞もきれいだし、メロディーも流れるようだけど。全体に整いすぎた、美しい流れの東京タワーを見るような気がするんだな」
わたし「うん、なるほど。だけど、きたないより、きれい方がいいだろう?」
K「・・・・・・」
きらめきて銀河に流れある如し(高浜年尾)