昭和52年4月末のはなし。
研究室で同期K平と。
はぁーくしょん・・・・・
K平「どうした、のりも。さっきから、くしゃみばっかりしてさ。風邪でもひいたのか?」
私「ううん、ちがうよ。どうも目がしょぼしょぼして、鼻がつまるんだよ」
K平「それ、風邪だろぅ?」
私「いやぁ、熱はないし、つらくもないしなぁ」
K平「もう、穀雨だぜ」
私「え?」
K平「『こ・く・う』だよ。この時期の雨は穀物にたっぷり水を与えて、みどりが映えて生き生きする時期だっていわれる、まあ、夏のはじまりだよ。そんな時期なのに、風邪なんかひいてどうすんだよ」
私「だからぁ、風邪じゃないって言ってるだろ。たぶん、大陸からやって来た黄砂のせいだろ。目はしょぼしょぼするし、くしゃみがとまらないんだから。天気予報でも、黄砂が飛んでくるって、言ってたもんな」
K平「ほんとかぁ?不摂生で風邪ひいたんじゃないのか?うつさないでくれよ~・・・ははは」
私「うるせぇ・・・もう・・・」
この時代には、花粉症などというものはありませんでした。
あれは、ひょっとしたら、花粉症だったのかも・・・・
ちがうだろぅ(天のこえ)
本読むは微酔のごとく穀雨かな(鳥居おさむ)