norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

卒業式

 大学の図書館前に、われわれ4年生の同期がつぎつぎ集まってくる。

午前中からわりあいと良い天気で、同期の女子学生も振袖すがたで卒業式に参加することも多かった。

 

 その証拠に、わが法学部の卒業総代O嬢は、みごとな赤い振袖で、卒業証書を学長から授与されていた。

われわれも式終了後、ゼミの教授から卒業証書を受け取っての帰りのこと。

 

私「さぁてぇっと、終わったなぁ・・・」

K「ああ・・・これから、俺はゼミの同期生と食事会だよ。のりも、また電話するからな」

 

私「ああ、待ってる」

H「うん、これから、がんばって働かないとなぁ」

 

 その他に、MやS、S藤もN山も来て、さらにサークルの後輩たちが集まって、わいわい話しをしている。

 後輩たちは「おめでとうございます」と言いながら、バラの花を1本づつくれる。なにやら照れくさい思いがしていた。

 

 そのとき、Kが

「あれ、のりも。卒業証書、バインダーにおさめてないのか?」

と、わたしが大きな卒業証書をバインダーに入れないでそのまま持っているのを見とがめた。

 

 バインダーは縦34センチ、横47センチ余の、ばねの付いた二つ折れの布張り製になっている。

その中に、わが卒業証書を納めると、必然的に真ん中で、真っ二つに折れ曲がることになるのである。

 

 わたしは、『卒業証書をたてに折るなんて・・・』という感覚があって、そのまま持って帰るつもりでいた。

 

 そのことを言ったとき、Kが

「あれっ?ちょっとおまえの卒業証書をみせろよ。何かおれのと、ちがうような・・・」

というので、油断をした私が

 

 「うん?」といって証書を挟んだバインダーごとKに渡すと

中味を読むふりをしながら、開いたバインダーに証書を丁寧に、バインダーの角に挟み込んで、

 

一気に

「えい!!!」と声を上げて折りたたんでしまったのである。

私「あああああぁぁぁぁぁ・・・・・・ばかやろう・・・・」

 

K「あはははははははは。かしつ(過失)だよ、かしつ・・・すまんすまん・・・しかし、すっきりしたぁ」

H「はははっハハハ・・・・、のりもぉ、やられたな。しかし、Kならやると思ったぜ。油断したおまえが悪い」

 

私「くっそぅおぉぉぉ・・・・・もおぉぉぉ・・・」

まあ、おかげで持って帰りやすくなりましたが。

 

しかし、無傷で持って帰りたかった・・・残念無念・・・・・

最後の最後まで、みんなで遊ぶ、にぎやかな一日でした。

 

    ともかくも卒業したるめでたさよ(富安風生)