norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

お蚕さま

 朝、木枠の窓から、やわらかい陽が差し込んでいる。

KとHとわたしが温泉につかりながら話しをしている。

 

H「ううぅぅ、あつい・・・・朝の温泉はからだにしみるなぁ」

K「だけど、野沢の温泉もきょうで最後だからなぁ、味わっておこうぜ。なあ、のりも」

 

私「うううぅンンン・・だけどまぁ、温泉パスポートっていうのは便利だねぇ。これであちこちの温泉にはいれるんだもんなぁ」

K「ははは、それだけでも野沢に来た甲斐があったろう?」

 

私「ところでさ、H。はなしの続きだけど、3月の別名はどんなものがあった?」

H「ええっと・・・ちょっと待てよ、思いだすからさ。花月(かげつ)、桜月(さくらづき)、早花咲月(さはなさきつき)、雛月(ひいなつき)、蚕月(さんつき)・・・」

 

K「うん?その蚕月ってのはなんだよ?3月だから桜が多いのはわかるけどさ」

H「あのさぁ、日本の養蚕って昔から、農家のおおきな『なりわい』じゃないか」

 

私「うん、そうだよな、信州も養蚕が盛んで、あちこちの家に蚕を飼っておく屋根裏部屋みたいのがあって、独特の家の構造になってるもんな。俺、修学旅行のとき見学したことあるよ」

 

H「そうだろぅ。『お蚕様』って言って、だいじに大事に育てるんだってさ。そのとき、3月は蚕が孵化する大切な時期だから、この時期に蚕の文字が付くのは当たり前なんだろうぜ」

 

K「そうか、わかった。では、『お』代官H『様』、そろそろ、つぎの湯へまいりましょう」

H「ばか、おれを、時代劇の『すけべおやじ』のように言うな!!!」

はははははhahalahahaha・・・・・・

 

朝湯こんこんあふれるまんなかのわたくし(種田山頭火