昭和52年は大豪雪の年で、北国では大雪で大変であった。
大阪は30日には一日中雨であったが、気温は13度と、わりと暖かい。テレビを見ていると、桜前線が徐々に北上していることが解説される。
私は、ああぁ・・・・桜だいじょうぶかなぁ・・・という感慨が・・・。
この年の大阪での桜開花日は27日であった。
天気予報でアナウンサーが「どうも、花に嵐ということばが、あてはまりそうで・・・・」と言っていたからである。
「うん?花に嵐かぁ。たしか、漢詩だったなぁ」と、詩に関する本を調べてみる。
観君金巵 満酌不須辞 花発多風雨 人生足別離
(「勧酒」于武陵)
これを、詩人の井伏鱒二が訳したとある。
「コノサカヅキヲ受ケテクレ ドウゾナミナミツガシテオクレ ハナニアラシノタトエモアルゾ サヨナラダケガ人生ダ」
思わず、笑ってしまった。
絶妙ではある。
悲しむな、なんでも終わりがあるということを、分かりやすく軽妙に言いたいのだろう。
しかし、日本人はこの詩にある終結部の、花がむりやり散らされるというところに悲哀を強く感じるのだから、鱒二の『潔さ』をあらわす点を強調するのは、この時期としては合わないのかもなぁ・・・。
今年は寒くて花が咲くのが遅いんだから、もうちょっと待ってよ、という思いである。
もうすぐ、入学式があちこちであるのにぃ・・・・
花見酒もまだしてないしなぁ・・・
同期のみんな、どうしてるかなぁ・・・・
さびしさの顔ぬくもりぬ朝桜(草間時彦)
あとがき
令和4年4月1日からこのブログを始めました。本日で丸1年が経ちます。表紙として利用させていただいている、「いらすとや」さんのイラストと、最後にそのときのわたしの状況をあらわすために使わせていただいている俳句ならびにその作者のみなさまに御礼を申しあげます。
この1年、多くの方々から感想の投稿をいただき、さらに、いろいろな方々から星をたくさんいただきました。読者になってくださったり、感想投稿や星をいただくと、うれしくて、ほんとうにはげみになりました。あらためて、心から御礼申し上げます。さらに、感想や星をつけてくださらなくとも、多くのブログを見に来てくださった方々にも重ねて、御礼申しあげます。
わたしにとって、大学生時代4年間というのは、最高に楽しい時期で、ブログに記載した事実・事件は98パーセント、そのままのことを綴っております。うそだろぅ・・・覚えているわけないじゃないかとのご意見もあろうかと思いますが、確かに、細部はちがうところもあるかもしれません。しかし、ほぼ、現実を再現していると考えています。さらに、会話などは、本来、いわゆる『コテコテ』の大阪弁なのですが、大阪弁で書いてしまいますとあまりにも強烈すぎて、かえって、さまざまな弊害があるため、ニュアンスを込めたい時にだけ、オリジナル弁を使っています。誰をも傷つけず、読まれる皆様に、『くすっ』と笑っていただけるか、あるいは、『ばかだねぇ』とか『ふぅぅん』と納得していただいて、そんな時代に、そんなことをしたり、考えたりして過ごしたのかぁと思っていただければありがたいと存じます。
一種のわたしならびにわたしの仲間にとってのメルヘンであり、レクイエムだと思っております。
明日からは残りの昭和時代について書き進めたいのですが、この時期、わたしは、いわゆる『プータロー生活』をしていて、それほど、話すべき事柄が見つけられないでいます。あらためて、いままでの時期は、家族ともども、小中高の友人、大学時代の仲間たちが、いっしょになって、さまざまに生活し、彩りを添えてくれていたこと、楽しく過ごしていたことがはっきりしました。その意味で、大学同世代仲間が、同じ時間と場所にほとんどいなくなった時期であり、ここからの記事は、さらにつたない、ばかばかしい経験を書き連ねてゆくことになると思います。ぜひ、また、ご愛読、ご意見ならびに、はげましの星をいただけることを期待して、年度最終のごあいさつといたします。
ありがとうございました。
のりもよしあき