車内はたばこの煙でもうもうとしている。
大阪駅を出た夜の12時前である。
KとHそして私の三人がボックス席で話す。
H「おまえら、もう・・・。さっきから何本タバコ吸ってんだよ。けむいよ、いい加減にしろぉ」
私「そういうなよ、車内で吸うのは1本目じゃないか」
K「そうそう、それにタバコとこのコーヒーが合うんだよ。これでやめるから、ちょっとがまんしろよ」
H「もおぉぉ・・。よし、それならクイズ。3月はなんで弥生というか答えてみな」
K「うん・・・なんでだろ?昔からそういうもんだって思ってるからなぁ・・・・」
私「やよいじだい!!」
H「ばか、それは歴史の時代区分をいってるだけだろ。『やよい』っていう呼称の由来を聞いてんだよ」
K「降参、なんで?教えろよ」
H「えへん。春は草木が芽を吹いて生い茂ってくるだろ。それで、弥生の弥っていうのは、イヤって読むんだよ。これは『いよいよ』って意味があって、それに生まれるっていう字と結びついて、春のさかりってことで弥生になるわけさ。これはめでたいことばなんだぜ」
私「うん、なるほど。だけどH、なんでそんなこと知ってんの?学校で習った?」
H「いいやぁ、この前さ、親戚の結婚式があって、そこで遠縁のおじいさんが、大声で、扇子を広げて『いやぁ!!さか~』(弥栄)って叫んでお祝いを言ってるのを見てさ。ふしぎにおもって調べたら、弥生が出てきたんだよ」
K・私「ふうぅぅん・・・・いやぁさか~~~って言うのかぁ」
野沢スキー場へ向かう列車のなかでの3月ばなしでした。
降りながら退りゆく雪弥生かな(阿部みどり女)