文化の日

　昭和４９年１１月のある日、友人たちと。

A「おい、江崎玲於奈博士が文化勲章を受章しただろぅ？」

B「ああ」

A「あれって、どうして？」

B「法律にあるじゃないか。科学技術や芸術などで目覚ましい功績を上げた人に授与される勲章だよ」

C「あれぇ、勲章は戦後禁止されたんじゃないのか？」

B「戦前の地位による勲章とは別だよ。憲法でやったろ」

A「ところで、なんで3日は文化の日？」

B「うちのじいさんが言ってたけど、文化の日は、昔は明治節っていって、明治天皇の誕生日で祝日だったんだとさ」

A「うんうん。ということは、文化の日は明治節の変形かぁ」

B「ところがな、明治節っていう戦前精神の休日は残せないだろう？だから戦後すぐに、この休日はなくなったんだよ。ただ、新憲法が１１月3日に公布されたよな。そこで、平和憲法の精神から文化の発展を記念する意味で、文化の日が制定されたんだってよ」

C「ということは、『明治節』と『文化の日』って断絶してるのか？」

B「そういうことだな」

A・C「わかったような、わからないような・・・・」

　　　　　学び舎の古きを誇り文化の日（小野響洋）