旧暦11月を霜月(しもつき)という。
8世紀に書かれたといわれる日本書記にも霜月という語がでてくる。
さらに、9世紀に成立したといわれる竹取物語にも、高貴なおとこたちが、かぐや姫に思いを寄せるなかで、
「かぐや姫を見まほしうて、物も食わず思ひつつ、・・・・甲斐なしと思へど、霜月、師走の振り凍り、水無月のてりはたたくにも、障らずに来る。」
として、はっきりと、霜月ということばが出てきている。
またまた、悪友たちとの話し。
A「なあ、霜月の語源ってなにかなぁ?」
B「ああ、あれの通説は『しもふりつき』つまり、霜が降りる時期の月だからしもづきっていう意味だってさ」
A「え、霜?だって11月じゃあ霜なんか降りないだろぅ」
B「いや、あれは旧暦だから、1から2ヶ月遅れるんだよ。今の暦なら12月くらいの頃のことを指すんだよ」
A「なるほど。で、少数説はどうなの」
B「まったくぅ、自分で調べろよ」
A「いいじゃないか、ついでに教えろよ」
B「だいたい、11月は実りの月だろぅ。そうした食べ物との関係で、たとえば、オシモ(お食もか?)の月とか、貢物の新しい穀物を納める月だから『シテオサメ』の月とか、籾を摺るから『すりもみ』月が転化したんだとか言われるんだよ」
A「うん、なるほど。それで、なんで霜降りが通説なの?」
B「かぐや姫の記述をみろよ。あれは、霜の降る寒い日でさえ、おとこどもがかぐや姫に会いに来るということだろぅ?その意識背景は食べ物語源じゃ、ロマンチックじゃないだろうが。『霜が降りて寒い月』、その空気がキュンとしたときに、心もキュンとなる、それをみんなが、ものがたりの共通認識にしてたってことは、通説だろう?」
A「そうかなぁ?ちがうかもしれんよ~」
B「・・・・・・・」
霜月や夜に抗う薔薇の白(石塚友二)