久しぶりに、図書館前の広場にみんなが集まっている。
「ああ、夏休みがあけたなぁ」
「うん、さてまた講義がはじまるのかぁ」
「それはそうとさ、いつから前期試験がはじまるのかねぇ」
「ああ。1週間後からだぜ」
「なんで、わかるの?」
「もう、日程が出て事務室の前に貼ってあるじゃないか」
「そうか、急いで見てこなきゃ」
あたふたと、二三人で駆けるようにして向かう。
帰ってくるなり、
「かなわねぇなぁ、月曜日に連続で4つも試験があるよ。絶望的・・・・」
お分かりであろう、この日までに4科目を勉強して、必死で覚えなければならないのである。
しかし、科目にも得意不得意があって、合格成績がとれるかどうかわからない。
そんな状況で、苦手科目が、いっきに重なれば・・・・・
彼の口から、その時、はやった、ちあきなおみの『喝采』が流れる
♪ いつものよぉ~に 幕が開き・・・・喪服のわたしわぁ はなすことばさえ、 なくしてたぁ・・・・♪
「なんだよ、それ?」
「この試験日、おれの葬式!!」
学校の試験過ぎたる昼寝哉(子規)