昭和50年の学年末試験が始まった。
試験会場に座り、予想問題の解答を書いた紙を必死で読み、覚え込んでいた。
試験開始まであと10分。
科目は民事訴訟法である。
わたしは、過去の出題問題を検討・予想をして、「口頭弁論について述べよ」という問題が出ると信じ、この解答のみをノートして覚え込む作業をしていた。
これが外れると、何も書けないことになり、不合格は確実である。
試験監督官が入ってきて、準備している。その間も、必死でノートを見て、覚え込む作業を重ねた・・・・
やがて、筆記用具と六法以外の物をカバンに、しまうようにとの指示を受け、裏向けの問題が書かれてある解答用紙が、配布される。
満を持して・・・開始ベル・・・・
答案を開けた瞬間・・・・・うわぁ・・・・・・
「問.弁論主義について述べよ」
頭が真っ白になった瞬間である。
しかたなく、六法に規定する弁論主義の定義だけを書き、
あとは、
「・・・・ところで、口頭弁論とは・・・・」と、本題とは、はなしをすり替えて、覚えた限りすべてを書き綴って、1時間を終えた。
ああ・・・だめだぁ・・・・
『へたな鉄砲も、数打ちゃあ・・』に、ならないかなぁ・・・
明日テスト水鉄砲を撃ちまくる(吉江テルヨ)