1時間目の民法の講義が終わって、つぎの講義までほぼ6時間も間が空くこともある。
つぎの講義が4時20分開始で、夕方まで待たねばならない。
雨の日のこの合間はじつにやっかいで、昼ごはんにするには、早すぎるし、そうかといって運動場でからだを動かすわけにはゆかない。まさに、時間をもてあます。
ある日、悪友たちと、どう過ごすかという話になって、
Kが「おい、ビリヤードにゆこう!」と言い出した。
わたしも、Hも、いやぁ、やったことがないからなぁと、ちゅうちょしていると、
「なんでも、けいけん!!おれもいままで2回しかやったことがないさ。なんとかなるだろう、いこうぜ」と。
わたしとHは、Kにおそわりながら、やってみると、これがおもしろいものである。
もちろんゲームは本格的な3つ玉とか4つ玉といわれるものではない。
ボールについている番号順に玉を端のポケットにいれてゆく、「ローテーション」というゲームである。
角度を考えたり、どこにどれだけ白玉を当てるかなどなど・・・・うまい具合に玉が当たるとコーンという心地よい音がする。あっという間に時間が過ぎた。
まあ、へたくそなわたしは、びりっけつではあったが、2時間ほどで決着がついた。
最後に、勝利者Kいわく、
「では、俺が優勝だから、昼めしはふたりのおごりな!」
おいおい、きいてないぞ、そんなこと、先に言えよ。
男には男の世界菖蒲の日(稲畑汀子)