昭和60年ごろ、大学の研究室でのハチヤ君との話し。
ハチヤ君が鼻歌まじりでコピー整理をしている。
ハ「♪ あれすずむしが・・・フフフンフフン・・・・りんりん・・・」
私「おや・・秋うた・・かい?」
ハ「はは・・・季節的にぴったりでしょ?
あ、そうだきょうは寒露なんですよ・・知ってます?」
私「かんろ?・・・・のど飴か なにか?」
ハ「ちがいますよぅ、もぉ・・・甘いじゃなくて、寒いって書くんですよ。
二十四節気のひとつで、
『露がつめたく感じられて、冷たい露が野草につきはじめる頃』
っていうんですよ。まさに、ざ秋!じゃないですか」
私「え?発音としては、じ秋だろ。母音のアからはじまるんだから」
ハ「もぉぉ・・・そんなとこだけは細かいんだから・・・
それでね、二十四節気をさらに細分化した七十二候ではね、
この時期を
『鴻雁(こうがん)来たり、菊の花開きて、蟋蟀(きりぎりす)戸に在り』
っていうんですよ」
私「なるほどね・・・だけど俺としては・・・
『米みのり、マツタケ育ちて、柿の実 庭にあり』
の方がいいなぁ・・・」
ハ「・・・(もぉ)・・・・」
水底を水の流るる寒露かな (草間時彦)