9月の土曜日、Yの家へ。
私「お~い、居るかぁ・・・」
Y「おう、のりも。いいところに来た。
おやつを作ったんだ。コーヒー淹れてやるから、食べてみろよ」
私「うん・・・なんだよ・・・あぁ・・パンの耳を揚げて砂糖をまぶしたのか?」
Y「情緒のないやつだなぁ・・・
『かりんとう』って言うんだよ。
わが家の銘菓だぜ・・・ほら・・・コーヒー」
私「はは・・かりんとうっていっても一緒だろ。結局、駄菓子なんだから」
Y「おまえねぇ・・・『かりんとう』って歴史が古いんだぜ。
一説によると中国伝来の高貴な食べ物だって言われてんだから」
私「そうなのか・・・?」
中国から伝わったんだろうって言われてて、
米や小麦粉をこねて油で揚げ、甘葛(あまづら)で甘味を足して作った
さまざまな種類のお菓子のひとつなんだってよ。
平安貴族も食べてたろうって言われてんだからな」
私「うん・・・だけど奈良時代にパンはないだろ?」
Y「現代だからパンの耳を使うんじゃないか。
その頃なら、小麦粉を砕いて練って使うだろ・・・
ばかだなぁ・・・」
私「なるほど・・・よく調べたなぁ・・・
それでなんで『かりんとう』って言うんだよ?」
Y「カリンっていう木があるだろ?
あの木に出来る実によく似てるからだとか、
かじると『かりん』ってかわいらしい音がするだろ?」
私「前の説だね」
Y「なんで?」
私「お前がかじったら『ぼりん』じゃないか」
Y「うるせぇ・・・・」
暑さ過ぎ 秋風とともに かりんとう (のりも よしあき)