♬ まさかり かついで きんたろう・・・・
あしがらやまの やまおくで・・・
ハッケヨイヨイ ノコッタ ハッケヨイヨイ ノコッタ・・・♪
(「きんたろう」童謡・唱歌 作詞:石原和三郎 作曲:田村虎蔵)
昭和60年ごろ、文学者のF先生と昼ごはんを食べるために、駅の方へ向かっていると、近くの幼稚園から「きんたろう」の曲が流れてきた。
お遊戯の時間なのであろう。
F「はは・・・かわいいですねぇ・・♪ハッケヨイヨイ ノぉコッタぁ~・・・か」
私「ははは・・・そうですね」
F「そうだ、それで思い出しましたがね。
足柄山ってどこにあるか知ってますか のりも君?」
私「え?金太郎って坂田金時になって・・・
たしか・・・大江山の鬼退治に参加してますよねぇ・・・
ということは、近畿圏のどこかにある山ですか?」
F「やれやれ・・・箱根・足柄って言ってね・・・
足柄山っていうのは小田原市の南西にそびえる箱根の外輪山なんですよ」
私「はは・・・♪ はこねのやまわ てんかの険(けん)・・・・きびしいぃ・・・」
F「ははは、それ、しゃれですか?
それでね、足柄っていうのは万葉のむかしから東国と都を結ぶ要衝でね。
和歌でも足柄っていうことばはよく出てくるんですよ」
私「へぇぇ~~~」
F「たとえばね、
足柄の箱根飛び越え行く鶴(たず)の羨(とも)しき見れば大和し思ほゆ
っていう歌とかがあって、
まさに都を思い焦がれる心情があふれてるでしょ」
私「はぁ・・・(おなかすいたぁ)・・・」
・・・大学の正門超えゆく学生の羨しき見ればトンカツぞ思ほゆ・・・