昭和54年頃、研究室へゆくと、ハチヤ君が少年漫画雑誌を見て笑っている。
ハ「ははは・・・あ、のりもさん。おはようございます」
私「おはよう。何を笑ってんの?」
ハ「いえね・・・『こち亀』があんまりにも奇想天外でおもしろいんですよ」
私「こちかめ?」
ハ「『こちら葛飾区亀有公園前派出所』っていう名前の漫画ですよ。知りません?」
私「あぁ・・・略して『こち亀』か。このごろ、漫画を読まなくなったからなぁ」
ハ「そうだ。これとの関連で思い出したんですけどね、亀有って地名の由来って知ってます?」
私「なんだよ・・・とつぜん?」
ハ「実は今日は『有無しの日』なんですよね」
私「ありなしの日?それと何か関係あるの?」
ハ「いえぇ。かめあり かめなし ありなし どっち? なんてね」
私「まったくもう・・・早口ことばかよ?」
ハ「はは。まじめに言うとね、亀有っていう土地は、
江戸時代は湿地帯で米がとれる良田が多かったんですって。
秋にその稲穂を干したときにその形が亀の甲羅に似てたから、
それにちなんで亀が居ないのに亀の甲羅があるというので
亀無しって名付けようとしたんだけど、
無しじゃ縁起がわるいから、亀有にしたんだっていうんですよ」
私「へぇぇ~~・・・いわゆる果物の梨を『有の実』っていうたぐいかぁ・・・」
ハ「両さん!!!大正解!」
私「・・・・りょうさん???・・・・」
有無の日がな沙汰まつ上達部(伊藤松宇)