Yの部屋で、卵料理のはなしが続いていた。
私「さっきのお前の“関西の卵好き”で思いだしたけど、
正月料理の伊達巻ってあるじゃないか?
あれ、昔から、関西のおせち料理のひとつなのかなぁ?」
Y「うん?・・・えっと・・・この本によると、
伊達巻は江戸時代にできたもので、
白身魚のすり身とエビを加えて、砂糖で甘く味付けした卵料理で、
焼いて巻き込んで作るもの・・・
長崎でオランダのロールケーキを真似てつくられたってさ」
私「え?ロールケーキ???お菓子かよ」
Y「もともとはそうなんじゃないかぁ・・・
『伊達巻』になったんじゃないかって話しだぜ」
私「ええっ・・・ほんとかよぉ」
Y「ああ、そう書いてあるよ。
そのほかに、派手な格好を『伊達な姿』なんていうだろ。
伊達巻ってふわふわとして柔らかくて、金色でつやつやしてるもんだから、
その見かけから『伊達』になったっていう説もあるんだってさ」
私「ははは・・・金ぴかかぁ・・・
なるほどおせち料理に金が入るのはわかるような気がするなぁ・・・」
Y「♪ キンキン キラキラ タマゴがゆれる キンキンキラキラ腹減ったぁ~」
私「・・・・・・・」
にはとりのつまりしこゑや五月冷ゆ(岸田稚魚)