ある大学の講師控室でF先生とお茶を飲みながら。
私「先生。あしたは『建国記念の日』ですねぇ」
F「ああ・・・そうでしたね。私が小さいころは『紀元節』っていってたいそうなお祝いをしたものですがねぇ」
私「そうですかぁ・・・まぁ神武天皇即位の日ですもんね」
F「あなたは、わりと古いこというねぇ・・・はは・・・それで思い出したんですが、古事記なんかに出て来る八咫烏の八咫っていうのはどういう意味だか知ってますか?」
私「え?神武天皇を勝利にみちびいたっていうカラスのことですか?」
F「そうですよ・・・その『やた』 。八に尺を書いて只っていう字を書くやつ。
『や あた』って読んだりもするんですがね」
私「うぅぅンンン・・・・そのあたりの地域の名かと思ってましたが、ちがうんですか?」
F「うん・・・まぁ・・神武帝を助けた八咫族っていう集団の名前じゃないかっていう説もあるんですがね。本来、咫っていうのは、長さの単位を指す漢字なんですよ」
私「長さ・・・ですか・・・」
F「ええ。上代のものさしは指なんですよ。テーブルに、こうやって親指を起点にして中指までの長さで図るんですね。たとえば、この辞書なら・・・縦が・・だいたい・・『ひとあた』 になるわけですよ」
私「なるほどぉ・・ということは八あただと・・・わたしの指では1あたがだいたい20センチだから・・・1メートル60センチになるわけですね・・・」
F「ね・・・神の使いらしい大きくて勇壮な感じでしょ?」
私「・・・(うううぅぅンンン そうなのかなぁ???)・・・・」
人の世になりても久し紀元節(子規)