ある年の12月7日の昼、大学地下食堂でトンカツを食べていると、
後輩で東洋法制史専攻のハチヤ君がやってきた。
ハ「うぅぅぅ~~~、さぶぅぃぃぃ~~~。
のりもさん、白いのがちらついてきましたよ」
私「そうかぁ、さすが大陸性高気圧だよなぁ。
雪を運んでくるんだもん。寒いはずだよな」
ハ「今日は、大雪ですもんね」
私「え?たいせつ?なにか大事な物でもあるの?」
ハ「大切じゃなくて大きな雪って書く、大雪ですよ。
二十四節気の冬至の前までの時期をいうっていう、暦の区分ですよ」
私「ああ、暦か。あんたの得意なやつ」
ハ「もう・・・みんなに関係あるでしょ。
この時期から大雪が降り始めて、クマだって冬眠に入るっていわれる、
季節の変わり目なんですから」
私「 ♪ 季節の変わり目を あなたのことばで知るなんてぇ~
もうトンもぉ もうカツもぉ
終わるのねぇ~~~(本歌『秋冬』高田みずえ) 」
ハ「もぉぉぉぉ・・・・またちゃかすんだから」
天にまだある粉雪がちらちらす(御旅屋長一)