大学学舎のロビーでハチヤ君と。
私「ああぁぁぁ・・・いやだなぁ、梅雨にはいったなぁ・・・」
ハ「そうですね。ところでのりもさん、なんで六月の長雨を梅雨って書くか知ってます?」
私「うん?うめぼしの出回るときに降る雨だからじゃないの?」
ハ「ははは、それは説明があまりにも短絡的過ぎ」
私「そうかぁ、なんで?教えてよ」
ハ「うちの師匠の話しではね、天正14(1514)年は大干ばつで雨が降らずに困っていたらしいんです。そのときの天子さまの後奈良天皇が『賀茂神社に詣でて梅を奉納』するようにとのご神託を受けたので、梅を奉納したら、たちまち一帯に大雨が降って五穀豊穣となったんですって。それでこの時期の雨のことを梅雨って書くんだっていう説があるそうですよ」
私「お、梅っていうことでは、『実と木そのもの』との違いで、ある意味、俺の言ったことは当ってたよな」
ハ「はは、まあねぇ。ただね、これはあくまでも、神事とのつながりを強調するために流布されるもので、どちらかというと、あまり確実性はないんですよね」
私「そりゃまあ、そうだろうなぁ」
ハ「やっぱり有力なのは、雨が多くて、黴(かび)が生えやすい時期で『かびあめ』と書いて『ばいう』と発音してたのが、黴っていう字じゃあセンスが悪いからって、やっぱり音が同じで、時期的に実が最盛期となる梅の字をあてて『梅雨』って書いたんだっていう説なんです」
私「ほら、梅っていうのは当ってた。好いセンスしてるだろ?」
ハ「・・・・・・」
青梅雨の真っ只中の日本かな(竹内成子)