♬ 元気でいるか 街には慣れたか 友達できたか・・・・
電話が無理なら手紙でもいい 「金頼む」のひとことでもいい・・・
おふくろに聴かせてやってくれ ・・・・
元気でいるか・・・・♪
(『案山子』作詞・作曲 さだまさし)
昭和53年の秋。
そろそろ進路を決めねばならない頃、英語で身を立てたいといっていたUがスーツを着込んで大学にやってきた。
私「おい、どうした?U。めずらしい、紺のスーツなんぞ着て、大学の外での英語学の勉強会か?」
U「いやぁぁ~、あの・・・地元の公務員試験を受けに帰るわ。それと、そのほかに企業回りをしようと思ってさ」
私「え?英語研究で身を立てるつもりじゃなかったのか?」
U「ああ・・・この前、電話でおやじとおふくろとも話してさぁ、田舎に帰ることにしたよ・・・」
私「・・・・そうかぁ・・・・だけどなんでそんな気になったんだ?」
U「のりも。おまえひとりっ子ってわかる?それと、この前にさだまさしの『案山子』って歌、聴いちゃったんだよなぁ・・・」
私「・・・・・・」
あたたかき案山子の脚を掴み抜く(鷹羽狩行)