昭和52年7月、気象観測のために宇宙衛星が打ち上げられた。
初めての気象衛星で、昭和53年4月から本格運用がはじまった。
この9月の大学での友人たちとの話し。
Aは新聞らしきものを見ている。
A「おい、台風が来てるのがはっきりわかるぞ。気象情報を知る手段が格段に上がってるなぁ」
B「何のことだよ」
A「気象衛星ひまわりだよ。宇宙から見るんだから、台風が太平洋上で発生した時から、雲の様子が分かるらしいぜ」
C「いままでの、富士山レーダーじゃだめなのか?」
A「おまえさぁ。富士山は3,776メートルじゃないか。レーダーで届く範囲はせいぜい日本の九州くらいまでだろ。ひまわりは、宇宙だぜ。日本の上から下をみるんだから、全部見えるだろ」
B「そりゃそうだよな。だいいち、富士山からだと、周りが雲に隠れて遠くまで見えないことがあるもんなぁ」
C「だったら、ひまわりだって、雲にじゃまされて観測できないんじゃないのか?」
A「ばか!気象衛星は、その雲を、観測するんじゃないか」
B・C「・・・・・・・・」
この時の、宇宙衛星からの『台風の目』の写真は、われわれには、衝撃的でした。
このままに颱風となりゆくらしき(後藤夜半)