8月の末になって、大学も徐々に活気が戻って来た。
Oと研究室で。
O「またドイツ文献の輪読会が始まったよ。フラフラになるまで、ドイツ語の辞書を引く毎日だから、大変だぜ」
私「え、フラフラになるまでって何?」
O「そのままだよ。一文一文、すべてのドイツ語単語、前置詞、sein動詞に至るまで、全部いちいちわかっていても辞書を引くってことさ」
私「そんなことするのか?」
O「ああ、そうだよ。今のうちにこれをしておかないと、刑事法を専門にする者になれないし、なっても役に立たないって、われわれの間じゃ言われてんだよ」
私「いやにならないかぁ?苦しいだろぅ?」
O「うううゥゥンンン・・・いやぁ~なような、楽しいような・・・苦しいような、甘~ぁ~いような・・・」
私「なんだよ、それ?」
横から、英語専科ともいうべき国際私法専攻Uが。
U「おれ、その感覚わかるよ、まさに『夏の夜の夢』!!」
O「だろ!」
私「・・・・・・・・・・・・」
朝がほや夏の夜ならば夢の内(千代尼)