昭和58年のこと。
例年通り秋の正倉院展が開催されていた。
中国法制史専門のハチヤ君と地下食堂での話し。
ハ「のりもさん。僕、きのう正倉院展に行ってきたんですよ。でね・・・」
私「あぁぁ・・・もうそんな時期かぁ・・・。ひとでいっぱいだったろぅ?」
ハ「ええ、だけど・・・そんなことより、空海直筆の経典が展示してあって、感動してしまったんですよねぇ・・・」
私「うん?どうして?」
ハ「どうしてって・・・僕だけの感覚かもしれないんですがね。空海って8世紀の歴史上の人物じゃないですか」
私「うん。そうだよな」
ハ「その人が手書きした書がこの20世紀にまで残ってるなんて、ちょっと時空を超えた感動を覚えるんですよねぇ・・・」
私「まぁ、歴史好きのロマンだろうなぁ。みんなそんなもんらしいよ」
ハ「いいなぁ・・・
♪ラララ・・・時を駆ける少女・・・愛は輝く舟・・・♪
私「・・・・(それはアイドルの歌だろう)・・・・」
秋はただ法師姿の夕かな(宗因)