もう1週間ほどで冬休みに入る、ある日。
A「なあ、先月は雪待月のはなしをしただろう?」
B「ああ」
A「もう12月なんだから、今月は雪降月とか言うのか?」
B「言わないよ」
A・C「ええ~、なんで?待ってたんだから、降らせるだろぅ?」
B「そんなこと、むかしのひとに聞けよ。ふつうは言わないんだよ」
A「おかしいよぉ、それわぁ・・・」
B「いいかぁ。雪待月っていうのは、旧暦の11月で、今でいう12月なんだよ。高校時代の古典の先生が言うには、12月は寒さが急に増してきて、冬準備を終えた時期なんだってさ。そのときに霜がおりて冬の寒さがいよいよ本格化するというので、冬の象徴ともいうべき雪が降ることを期待した情緒を込めて、雪を待つっていう、いわば『優雅なことば』なんだってよ」
C「うん、それで?」
B「今か今かと待ってるから、ロマンチックなんだろ?会えるか会えないかわからない。言やぁ、ロミオとジュリエットじゃないか。ふっちまえば(降る? 振る?)おしまいさ」
A「うん、わかるけどぉ・・・やっぱり、会えるほうがいいなぁ・・・・」
見足たらぬを初雪とこそ申すなれ(雅因)