♪ 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす おごれる者久しからず ただ春の夜の夢の如し ・・・♪
3月土曜日の夜9時、マージャン帰りのKとMとわたし。3人で法律相談会が終わって、雀荘で1荘(イーチャン)だけして、帰途についた電車の中である。
Mが平家物語の有名な書き出しをつぶやいている。
私「またぁ、なんだよそれ」
M「はは、知ってんだろ。平家物語。俺いま気分がいいんだよ。あのときの3竹と3ピンがすっと手に入って、あっという間に『ジュンチャン三色ドラ5ハツ』でトップになったろ。こんな気持ちのいいゲームはないからなぁ・・・ははははぁ」
私「それで、おごれる者久しからずか?」
M「おごっちゃいないよ、ゲームに勝って、おごられてんだから」
私「なにいってんだよ、ばか」
K「ところでさ、M。その序文、なんで春の夜の夢のごとしなんだと思う?」
M「え、決まり文句だもんなぁ、あんまり考えてなかったけど・・・・」
K「おいおい、詩人のMとしちゃあ、それじゃだめだろう?何とかしろよ」
M「えぇっとぉ・・春はぽかぽかして温かくなるから夢を見がちとか・・・」
K「それじゃあ、分かんないだろうが。詩人失格!!」
と、マージャンに負けた部分を、会話で取りかえすKでした。
さて、帰って調べてみると、『春の夜の夢の如し』というのは、平安時代から『春の夜』というのは短くすぐ明けてしまうものというイメージである。
さらに、『夢』もはかないということの象徴であり、この短くはかないものということをあらわすフレーズとして定着しているそうだ。
そのため、百人一首などでも
春の夜の 夢ばかりなる 手枕(たまくら)に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
(周防内侍)
といった歌が残っている。
ああぁ、なるほどなぁ・・・・
春の夜のそなた匂ふかおれも来た(上島鬼貫)