昭和47年3月5日の日曜日、NHKのテレビ放送を見ていた。
わたしの入試科目である日本史の知識補強を兼ねて、よく見ている番組なのだが、なんとも、退屈なのである。
配役はきわめて豪華。
世間で評判の高い男優、女優がずらりと並んでいる。
原作が吉川英治、脚本は民放のホームドラマ作品の脚本で有名な平岩弓枝である。
なんとなく、ホームドラマの香りがこのドラマにあるのは、そのためであろうか。
清盛が、どうも一般イメージとしての、ふてぶてしさや悪人としての迫力がないのである。
こうしたことを、中学のときの同級生Yと話していると、
Y「そりゃお前、ドラマじゃないか。まして、ドラマはひとに見てもらわなきゃならないから、歴史事実とは多少ちがうさ」
私「だけど、話がホームドラマみたいで、ちっともおもしろくないんだぜ」
Y「まあ、おとなが見るとおもしろいのかもしれないぜ。お前みたいに、勧善懲悪の派手な立ち回りを期待する奴にはおもしろくないんだろうがな」
私「そうかなぁ・・・」
Y「ああ、それが証拠に、視聴率が20%を超えてるって新聞に出てたぜ」
私「だけど、日本史の勉強にもならないぜ」
Y「娯楽と勉強を一緒にしようってのが、間違ってんだよ。だけどまあ、清盛が新暦の3月4日に太政大臣になったっていうことがわかったのは、勉強になったよな」
私「ううぅぅぅンンン・・・・・?」
そんなこと、テレビで言ってたかなぁ・・・・しかし、なんでそんな日付が勉強になんの・・・・?(心のこえ)
春風や闘志いだきて丘に立つ(高浜虚子)