6月の花嫁はしあわせになれるという。大学4年以上になると、中高時代の友人が結婚の時期をむかえる。これが、いわばたいへんなのである。
「なにが、ジューンブライドだよぅ」と大学の仲間と話すことが多くなった。
Hがぼやいた。
「おれ、今月は大赤字だよ。結婚式に5回呼ばれたよ」
「そのたびに、てんとう虫のサンバを聞かされ、司会をさせられたり、受付をさせられたり、6月の日曜日はなかったんだからな!」と、ぶつぶついっている。
かれいわく、この「ことわざ」のおかげで、6月は財政的、精神的、身体的、大ピンチであるという。
「だれだよ、こんな『ことわざ』を作ったのは!!日本にゃあわねぇ」と。
あとで、しらべてみると、どうもヨーロッパが発祥で、ギリシャ神話にはじまっているようである。
さらに、ヨーロッパでは農作業が5月まで忙しく、それを過ぎた時期に結婚などのお祝いをすべきことであるらしい。
さらに、日本とちがい6月は天候も抜群によいのである。
その「しゅうかんによることば」だけが、日本に入ってきて、ロマンチックさをただよわせるのであろう。Hのいうのも、もっともかなぁ。
しかし、Hよ、おそらく、幸せになる友が多くなるだろうから、いいじゃないか。
こんなの、『縁起もの』だよ・・・。
六月の花嫁白く白く来る(戸辺喜美江)