
♫ 夢の坂道は木葉模様の石畳 まばゆく白い長い壁
足跡も影も残さないで・・・・
背中の夢に浮かぶ小舟に あなたが今でも手を振るようだ・・・・♪
大学院学舎は学部学舎に向かう坂道の途中にある。
その研究室の窓からやさしい冬の日ざしが差し込んでいた。
後輩のハチヤ君と窓そばにあるストーブにアタリながら話していた。
ハ「朝は寒かったですけど、いいですねぇ・・・この景色・・・
坂道を学部生がのんびり歩いてますよ・・・
♪ ゆめのぉ~さかみちわ~・・・・」
私「ははは・・・おぐらけいか・・・
なにかポエムだねぇ・・・
学生はそれどころじゃないだろうがね、学年末試験の真っ最中だもんね」
ハ「ま、心理的には戦争状態でしょうね・・・
あ・・・それで思い出した。
源氏三代将軍実朝の歌・・・」
私「え?」
ハ「今年のお正月にね、
うちの師匠の家で兄弟子たちと
小倉百人一首のかるた取りをやったんですよね。
そのときに、実朝の歌があって、
『世のなかは常にもがもな渚漕ぐ海人の小舟の綱手かなしも』
っていうかるたがあって、
師匠がこの歌の解説をしてくれたんですよね。
そのときのことを思いだしたんですよ」
私「ぅン・・???・・」
ハ「師匠が言うのにはね、
漁師が舟を水べりで舟を繋いでいて、
その舟が風景になじみながらゆらゆらゆれている
のんびりとした風景のように、
世の中もずっと静かに平和であってほしいものだ
っていう 穏やかな日々を願ってるんだというんですね。
今の状況に似てません?」
私「・・・なんともまぁ・・・ゆうが・・・だねぇ・・・」
ハ「はは・・・♪ せなかのゆめに~うかぁぶこぶねに~~
あなたがいまでも 手をふるよぉだ~・・・・」
冬の日のまぶしくなりて力抜け (阿部みどり女)