昭和60年頃、大学地下食堂で、O中君、ハチヤ君と食事していた。
私「なぁ・・・これミンチカツっていうだろ?この語源ってなんだろ?」
ハ「え?昔から おおさかじゃぁミンチカツ、東京じゃぁメンチカツ
って言うぐらいしか知りませんねぇ・・・なんでだろ・・・」
O中「僕は以前に調べたことがあるんだよね。
ミンチって英語のmince
つまり『細かくきりきざむ』とか『ひく』っていう言葉からきてるんだよ」
私「おお!!さすが国際的な学問専攻者!」
O中「もう・・・ばかにしてるでしょ。教えないからね」
私「ははは・・・・・で?」
O中「メンチカツって東京のレストラン店主が明治時代に考案して、
そのとき外国人にも分かる名前にしたいからっていうんで、
ネイティヴに聞いたんだってさ。
ひき肉を英語でなんて言うかって聞いたら
ネイティヴがミンス・ミートって言ったのをメンチって聞き間違えたんだとか」
私「え?ミをメと聞き間違えるかぁ・・・ほんとかなぁ・・・」
O中「あ?また疑ってるでしょ。もぉ・・・」
ハ「聞き間違えたかどうかはともかく、
ミンスじゃなくてメンチになったのは江戸っ子らしくて、
可能性があるとおもいますよ」
私「なんで?」
ハ「だって、発音してみてくださいよ。
『ミンス』カツっていうより、『メンチ』カツっていう方が
よく聞き取れるし言いやすいじゃないですか。
ミンスだとなんだかスカスカしてると思いません?
江戸っ子って、しゃきっとしてないのって好きじゃないでしょ。
まさにメンチですよ」
私「ううぅンンンンンン・・・・・」
O中「そうだ!そうだ!」
春の日の人何もせぬ小村かな(子規)