norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

くらげ

 昭和53年の盆明け、Yの家へ。

 

私「おおおい、居るかぁ・・・」

Y「ああ・・・・」

 

私「おい、どうしたんだよ。体じゅう真っ赤じゃないか・・・」

Y「うん・・・ひどい目に遭った・・・伊沢が誘ってくれたんで、海へ泳ぎにいったんだ・・・それでこのザマだよ・・・」

 

私「えぇ・・・盆が過ぎたらクラゲが出るから泳げないだろうし、泳いじゃいけないだろぅ・・・」

 

Y「ああ、昔からの言い伝えは本当だなぁ・・・クラゲは出るわ、波は高いわ、海の家なんて全部なくなってるし、太陽だけがギラギラしてんだから。むりやり泳いだら、クラゲに刺されて、しかたないから、焼くしかないと思って浜辺でころがってて、このザマさ。いたいいたい・・・・」

 

私「ははは、天罰。地獄の釜が開いてるからだろ」

Y「ちがうだろうよ。地獄の釜が開いてるのは盆までで、おれが海に行ったのは盆過ぎだぜ」

 

私「お前だけ、特別扱いしてくれたのかもしれないぜ」

Y「そんな特別扱いいらねえよ、バカ!」

 

     ハハハハハ・・・・・・

 

     くらげふえし海よりかへり来る裸(久保田万太郎