norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

麦秋

 大学研究室で。

A「ところでさ、4月の別名に麦秋っていうのがあるだろぅ」

B「ああ、そうだな」

 

A「あれはなんで?」

B「高校の国語問題だよ」

 

A「え?どういうこと?」

B「麦が刈り入れ時になって、穂がまっ黄色になるころのことを『ばくしゅう』とか『むぎあき』っていうんだが、麦秋は春のおわりごろ初夏になろうかってころのことなのさ。俳句の季語になるんだけど、麦秋の俳句を出して、どの季節でしょうかっていう問題を出すっていうことがあるってされてるのさ」

 

C「ああ、いわば引っ掛け問題かぁ」

A「だけど、農家じゃないとか、都会育ちだと、麦が春に刈り入れ時だなんて分かんないんじゃないのか?」

 

B「そうだろうな。だけど、それは季語を知ってたら分かることだろ」

C「それは要求が高すぎないか?」

 

A「ま、ひとそれぞれだろうな。俳句の初心者なんかは基本的な季語がわからないことが多いから、秋と勘違いするらしいぜ」

C「思いだした。小津映画にも『麦秋』ってのがあったなぁ」

 

B「うん、あの映画を見て、秋だって思うやつはいないだろう」

A「わからんぜ、あの映画、別に『春ですよ』っとは、銘うってないもの」

 

B「・・・・・・」

 

       教科書を窓際におき麦の秋(桂信子)