norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

公務員試験

 高校時代、親友のTが、夏のはじめにわたしに、

 

「おれ、公務員になる」と言いだした。

「えぇ、お前、大学へいくんじゃなかったのか?まえはそう言ってたじゃないか」

 

「ああ、大学へはいくよ。国立か公立大学の二部へいく」

「・・・・・」

 

Tは学校の成績順位が、つねに、学年で5番内である。

超一流の大学あるいは難関学部は別として、普通の国公立大学ならおそらく現役で合格するであろう。

 

 何かしら、ここでも、わたしは少し取り残されたような気がしたのを覚えている。

 

 彼の国家公務員試験の一次試験は9月であり、その合否発表は11月中旬であった。その日、わたしは、教室でなぜかドキドキしながら、結果を聞くと。

 

彼はひとこと、

「うん、通った。ここから、二次試験がもんだいなんだよなぁ・・・・」

 

   そうなのかぁ。複雑な仕組みの試験だなぁ・・・・・・

 

しかし、冷静な、あっけらかんとしたTの返答にもびっくりするわたしであった。

    Tの詰襟の顔が大人びていた・・・・・。

 

       制服に林檎を磨き飽かぬかな(林桂)