久しぶりに、大学同期で悪友のKとMとわたしとでKの部屋でコーヒーを飲みながら話しをしている。
私「まったく、暑いなぁ・・・たまんない」
K「はは、もうちょっとがまんしろよ。クーラーを強くするからさ」
M「暑気払いの冷やしそうめん、うまかったろぅ?」
K「うん?昼は そうめん か?」
M「ああ。なんで?」
K「いやぁ、暑気払いには何と言っても、元気づけにウナギだって思ってな」
M「あれは、店屋に行かないと、旨くないじゃないか。あ、それで思い出した。ウナギって万葉の昔から栄養の元として食べられてたのを知ってるか?」
私「え?そうなのか?」
M「ああ、大伴家持がさ、やせっぽっちの石麻呂さんってひとに
『石麻呂に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻とり喫せ』
(万葉集第16『戯笑歌』)
ってうたって、からかってるんだよ」
私「へぇぇぇ~」
K「うん?だけど、なんで『喫(きつ)せ』なんだ?『食せ』じゃないのか?」
M「ああ、俺も調べたんだ。この喫って字の成り立ちからすると、この字は食べるとか、食らうっていう意味もあるのさ」
K「そうかぁ・・・ま、ウチのコーヒーも、皆さん、喫せ!!」
私・M「え?」
冷房やをとこのわらふさへすゞし(日野草城)