♬ 青い芽をふく 柳の辻に
花を召しませ 召しませ花を
どこか寂しい 愁いをふくむ・・・・♪
(『東京の花売娘』歌:岡晴夫 作詞:佐々詩生 作曲:上原げんと)
昭和62年ごろ。F先生と、ある大学の正門をくぐったとき、強い風が吹いて、満開の桜からの桜ふぶきにつつまれた。
F「はは・・・♪ 花を召しまぁぁせ~ 召しませ花を~・・・・ですねぇ」
私「いいですねぇ・・・だけど、先生、この場合花は売られてませんよ」
F「うん?のりも君、この歌詞の召しませっていうのを
買うっていう意味にとらえましたね」
私「ええ・・・ちがうんですか?」
F「いえぇ・・まちがってはいませんよ。原曲だって花売り娘なんだから
花を買ってくださいって言ってるんでしょう。
だけどね、この召しませっていうのを、
着るとか身に付けるっていう意味での
『召す』
って考えたらどうでしょうね?」
私「えぇ?・・・・」
F「売り買いじゃなくってね。
春っていう季節が、
ふぅっ・・・て息をふきかけて、
みんなに花を召しませ・・・って・・ことで
はなふぶきに 包まれる・・・」
・・・あぁぁ ・・・・
目を開けて居られぬほどに花吹雪 (品川鈴子)