ウキャァアア~ァァウ~~
気合をいれた闘争心からの叫びだそうである。
ブルースリーが構えたときに、この声を発する。
昭和48年にブルースリー主演「燃えよドラゴン」が大ヒットした。
夏に大阪市内でのロードショウが始まり、冬の映画館でもこの映画が上映されていて、ロングランの大ヒットである。
大学でも、よくこの話しが出て、人気の高さがよくわかるものであった。
さらに、あちこちで、リーが映画の中でつかっていた木のこん棒を鎖でつないだ、小さな攻撃道具としてのヌンチャクが、あちこちで広がり、この道具を利用しての格闘技のマネをする人間があらわれた。
大学内ではそんな物を使って遊ぶ者はいなかったが、テレビなどで、格闘家と称するひとびとや、それをまねる若者などが見られ、
よく、
「あぶないなぁ。あれ凶器じゃないかぁ」
と言っていたものである。
ある夜、中学時代の友人Yのところに行くと。庭に軽装のYがいる。ぶんぶんと音を立てて、空手のまねをしながら「うん、うん」と唸って木のヌンチャクを振り回している。
私「おい・・・Y。何してんの・・・・?」
Y「おう、のりも。運動さ」
私「運動ってお前・・・ヌンチャク振ってんだろぅ・・・」
Y「どうだぃ。ブルースリーに見えるだろぅ」
ばか・・・・・
すさまじき空手の気合眉涼し(河野静雲)