norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

赤字

 サークルの夏合宿は、山陰の海辺で行われた。

ここでの勉強会のひとつは「会社法」であった。

そのとき、テーマとなったのが、株式会社の計算規定。

いわゆる、貸借対照表損益計算書についての勉強である。

勉強会が終わって休みとなり、食事までの休憩時間。

 

悪友たちと話していて、

「ところでさ、決算でマイナスがでるのを『赤字』というのはなんでだろう?」

「昔から、そういうんだから、いいじゃないか、習慣だろ」

「だけど、気にならないか?」

「想像だけどさ、マイナスになったことを注意するために、数字が目立つ色の朱で書くからそういうんだろうさ」

ここで、そのはなしは終わった。

 

 合宿がおわって帰宅してから、広辞苑などの辞典で調べてみると、

『簿記で不足額を表す数字を赤色で書くことからはじまった』とあった。

 

これを手掛かりに図書館で簿記関連を調べてみると、

「西洋簿記では黒インクで記載するのが通常であるが、支出超過あるいは借入超過の場合には赤インクで記載した。これに日本が西洋簿記導入後にならった」としてあった。

 

英語ではin the redというらしい。

日本では昭和6年の文献に初めてこうした赤字の語が用いられたそうである(参照:Wikipedia「黒字と赤字」)。

 

 このことを悪友にいうと

「のりもぉ、まだ、そんなこといってんのか?」

「なんで赤字というかなんて、会社法の理解にゃ関係ないだろう。だけどまあ、おまえらしいよ。そこまで調べるなら、なんで黒赤じゃなくて、黒白にならなかったのかまで調べればよかったのに」

 

ばか、白じゃ紙に書けないだろうが。

わかってて言ってるだろ、おまえ・・・・

わたしの8月は、個人的な金銭面でも赤字でしたが・・・・・。

 

      戦果つ残る暑さの厳しきに(日野草城)