3年生になると、9月に専門ゼミ演習を選択しなければならない。
わたしと、悪友たちは民法か商法かのどちらかを選ぼうと6月ごろからはなしあっていた。
H「おい、ノリモ、民法か商法かどっちにする?」
私「商法に決めた」
H「なんで?おまえ民法の方が好きだろう」
私「ハマダ教授の会社法を聞いて、気が変わったよ。民法ってさ、歴史がふるいこともあって、契約なんかでもローマ法からの原理原則はだいじだろぅ。たとえば、代理を勉強するときでも、代理人が行為しているのか、本人が行為しているのかということまで考えて、最終的に結果をかんがえるというようなことがあるじゃないか。まるで哲学やってるみたいに・・・」
H「ああ、そうだな」
私「ところが、商法はたとえば取引をしても、最終的に『商人たちの経済的な利益調整』ができればいいんで、細かい規定の仕方はしないだろう。それに、ハマダ先生の会社法なんて、実務にあうように、論理的で、いわば、ぴしっ、ぴしっと解決するという形で説明されるんだよなぁ。小気味いいよ。あの先生の講義はすごいぜ」
H「ああ、それで民法の先生は気難しいのかぁ・・・・」
おいおい、それはひとによるだろう・・・・いくら哲学といっても・・・
梅雨の犬眉のあたりが哲学者(岩岡中正)