norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

自然債務

 大学3年生になると、民法で債権法を勉強する。

このとき、自然債務という債務があるということを知る。

これは、山野でうまれる、自然界での債務というわけではない。

 

 まず債務というのは、たとえばAがBに10万円貸せば、Bは期日に10万円と場合によってはその利息を支払う義務があり、これを債務という。

 このお金をかえすという債務は、Bが支払をしないときには、Aが裁判所に訴えて、強制的にお金を返えさせるという、力がある。

 

 ところが、自然債務というのは、この強制力がない。いわば中途半端な債務である。

たとえば、貸し借りから10年たって、時効でお金を返さなくてよくなった時のBの債務などがこれに当たると説明される。

ただし、債務であることには、ちがいないのである。

 

 この授業のあと、悪友たちとはなしをしているとき、

K「なあ。債務じゃなくて、法以外の、なにかの分類のなかで、自然債務と同じようなものってあるかなぁ」と言い出した。

Mが

「そりゃあるよ。たとえば、気のぬけたコーラとか、甘くない飴玉とか」

Sも「えっと、ミルクの入っていないミルクティーとか・・・」

Hがわたしを指さして、

「気のぬけたノリモ!」

みんなが、手をたたいて大爆笑。

 

 「こらぁ、おれは自然債務か?ばかやろう」

        詮なさの昼念仏や五月雨(河野静雲)