♯『クィーンの葬儀を見ようと朝9時に下宿の大家ブレッドさんと共にでかけ・・・ところがひどい人込みだったので、次の駅ランカスターで降りようと・・・ハイドバークでは見物のため人々が木によじのぼり・・・ブレッドさんが私を肩車してくれた・・・葬送の隊列がやって来て・・・棺は白と赤の布で覆われていた・・・』
(夏目漱石の日記より[『20世紀の映像』ヴィクトリア女王の葬儀シーンの
ナレーション参照])
大学の研究室で、後輩のハチヤ君と。
ハ「ねねね。のりもさん?見ました?
昨日のテレビ。ヴィクトリア女王の葬儀を
あの夏目漱石が見てたんですねぇ・・・
日記に残してたなんて、僕は感動しちゃいました」
私「ああ・・・20世紀の映像だろ・・・うん・・・」
ハ「ヴィクトリア女王って1901年の今日に亡くなってるんですよね。
だからあの映像って20世紀の始まりを写し出してるんですよねぇ・・・
始まりですよ・・・しかも、19世紀の名残があるというか
19世紀に生まれたひとびとを
動いたままの状態で描写してるんですよ・・・
19世紀って日本なら江戸時代じゃないですか・・・
動く記録ですよ・・・すごいなぁ・・・」
私「そんなもんかねぇ・・・」
ハ「もぉ・・・のりもさん・・・われわれ史学を勉強研究する者って、
本っていうか文字で歴史を学ぶことが多いでしょ。
そのときに、実際っていうか
その時代その時代の出来事が文字で記録されていても、
その事実を裏付ける証拠としての物や映像が出て来るっていうのは、
貴重だし、
感動ものなんですよね。
あのイギリス絶頂期の一時代を築いたヴィクトリア女王時代が、
生きて動いたまま目の前で見られるんですよ。
それも日本の文豪、生きてる夏目漱石のことばを通して・・・
すごいって思いません?
Seeing is Believing(百聞は一見にしかず)!!!」
私「うぅぅんんん・・・・
だけど漱石だけに・・・
cast pearls before swine(猫に小判)
ってこともあるよなぁ・・・」
ハ「・・・・・・」
貧書店一月号の氾濫す (阿波野青畝)