norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

春眠

     春眠不覚暁(しゅんみん あかつきを おぼえず) 

     処処聞啼鳥(しょしょ ていちょうを きく) 

     夜来風雨声(やらい ふううの こえ) 

     花落知多少(はなおつること しる たしょう)    

                             (『春暁』孟浩然)

 

 遠くの方から、「こら・・・起きなさいよ・・・もう・・・」という音ともいえない声が聞こえる。

 

 目をむりやり開いて目覚ましを見ると、11時である。

ああ・・・・朝かぁ・・・ねむい・・・

いつものことではあるが、ぽかぽかとあったかく、ここちよくて、まだ眠っていたい。

 

 ふとんのなかで、ぼんやりしていると、猛浩然『春暁』の句を思い出した。

というよりも、高校生になったときのはじめての漢文の授業で、女の先生が教科書に書いてあるこの詩を、突然、中国語で読みだしたのを思いだしたのである。

 

 みんなが啞然とするなか、平気な顔で

「で、これを現代語訳するとね、きょうはねぼうしちゃった。あちこちで鳥がないてる。きのう降った雨はすごかったわ。やれやれ戸をあけないとなぁ、花が散っちゃってるかもね。っていうぐらいかな。では、つぎいきます」と。

 

 わたしは、え・・・・こんな解説でいいの?

しかし、おもしろいと思った。

印象には残るし、大学生のこのときになっても覚えている。

わたしには、春は眠いものということを確認する、大きな教育効果があった。

 

 やがて、階下から「いいかげんにしなさい!!!」と、暴風雨が吹き荒れて来る。

わが家の3月おわりのこと。

 

      春眠の名残りて重き瞼かな(日野草城)