♪ おしょうがつを 写そうぉ~ きれいな写真を写そぉ~
〇〇カラー エヌひゃくぅ~ ♪
中学高校の時代から、年末になると、カラーフイルムのCMがテレビから流れてきていた。
初めの頃は、加賀まりこが出て、『お正月にはカラーフィルムで』・・・という、わりあいに穏やかなCMであった。かわいい画面構成といってよかろう。
大学に入るころ、びっくりしたのは、女優の樹木希林がでてきて、
「ちょっとぉ、美しく撮ってください」
というせりふとともに、コミカルタッチの構成に変わったことである。
びっくりするとともに、非常にインパクトのつよいCMへと変身した。
大学で、
A「おい、あの〇〇フィルムのCM見たかよ?」
B「ああ、びっくりしたよ。インパクトあるよなぁ」
A「うん。樹木希林が振袖を着て、きれいに仕上げてくれって写真館でプリントを注文してるんだもんなぁ」
B「なんともいえない可笑しさがあってさぁ」
A「ああ、まさに喜劇の妙だよな。絶品だよ」
樹木希林という芸達者の演技とそのセリフ回しのやりとりが、みごとに現れる15秒であった。
これ以後、年末の風物詩のひとつとして、われわれの心に焼き付く音楽と映像であり、毎年のシーン展開が楽しみなCMとなった。
年の瀬を忙しといひつ遊ぶなり(星野立子)